ホーム側と入居者側には温度差がある
新築予定の有料老人ホームというのは、建築確認の許可さえ下りれば、入居者の募集をしてもいいことになっています。これは、ゴルフ場の会員権や分譲マンションの売買ビジネスと同様です。
そして、ホーム経営者側は、一日も早く契約に持ち込みたいと考える一方で、入居希望者は、少しでも確実な情報を得てから申し込みをしたいと考えますので、両者の間には、必ず時間的、感覚的な温度差があり、この温度差からトラブルが生じることがままあります。
どのようなトラブルがありますか?
例えば、すでに入居を予定していて、申込金とともに契約金全額をホームの納めたものの、ホーム側の一定の事情で入居ができなくなったようなケースです。
この場合、入居一時金はすでに払い込んでいますが、それでもまだ入居はしていないわけですから、入居金は当然全額戻ってくると考えます。
しかしながら、有料老人ホームによっては、返却の額の問題ではなく、キャンセルしたら1円も戻ってこなかったなどという悲惨なケースもあります。
よって、このような場合に備えて、念のために契約時には、最高責任者の署名捺印をもらっておくようにしましょう。こうしておけば、もしも裁判沙汰になったとしても、この署名捺印が法的に活きてくるからです。
ちなみに、キャンセル料については、過去には法外にとっていたそうですが、現在では取らないのが常識になっています。 |