認知症のケアは、具体的にどのようにしたらよいのでしょうか?
認知症のケアは、身体的な面でのケアと精神的な面でのケアが必要です。
身体面でのケアとは?
身体面でのケアは、日常生活の支援になりますが、これは個人個人に合わせて適時適切に行う必要があります。個人差がありますので、一律に行うことは適切とはいえません。
人間としての尊厳や人権を守ることを基本として、食事、排せつ、睡眠、清潔などについて配慮することが大切です。
認知症になってしまったといっても、すべての機能がなくなってしまったわけではありません。残っている機能を活性化させることも必要なのです。
具体的には、趣味の活動や、音楽、演劇、旅行、動物とのふれあい、回想法などが考えられます。その人に合ったものを選択すれば、心身が活性化するだけでなく、感動を与えることもできるでしょう。
精神面でのケアとは?
痴呆性高齢者というのは、いわゆる失見当識という状態で、失敗などを重ねることで、常に自尊心が傷ついているといわれています。
そうした人に、介護する人が強く叱ったり、教育するというような態度をとったりしても意味がありません。それがさらに自尊心を傷つけ、多くの問題行動を引き起こすことにもつながってしまうからです。
ですから、介護する人は、高齢者の失敗や誤解を否定せずに受け入れて、正しい行動を思い出すきっかけを与えるようにしましょう。
そのとき、笑顔で手を握ったり、やさしい仕草で感情に働きかけたりすると、高齢者にやすらぎと信頼感を与えることができます。また、相手に合わせたペースで話しかけることも大切です。 |